では、アニメやドラマ以外で選曲の仕事が無いかというと、そんなことはありません。むしろそれ以外の方が多いのです。
企業物や販売DVD
例えば銀行に行くと、保険や貯蓄、資産運用といった勧誘のビデオが流れていますよね。そのビデオのBGMも選曲家の仕事です。またサッカーやバスケ、スポーツ関係のDVDや、お子様向けのDVD、企業が主催するイベント、観光地の案内映像などにもBGMが流れていますが、すべて選曲家の仕事です。(作曲の場合も、もちろんあります。)
ライブラリー音楽
では、そこで流れる音楽は誰の音楽なのでしょうか・・・。その殆どが業務用のライブラリー音楽なのです。
業務用って?と思われるでしょう。ご存知のように市販されているCDや配信されている音楽には様々な権利が発生します。一番有名な権利が著作権ですね。JASRACなどの著作権団体が管理しています。著作権料は使用する楽曲の長さや再生回数、使用状況によって変わります。ちゃんと申請して使用料を払わなければなりません。ただ著作権料は規定があるので、料金は計算することができます。
権利
やっかいなのがそれ以外の権利、原盤権などです。この権利を取得するための金額は「言い値」なのです。目的に応じて安いときもあれば数百万円請求される場合もあります。1曲1曲、レコード会社などの権利者と交渉しなければいけません。クライアントがその金額を払ってくれることは、まずありません。
ですから原盤権などが必要でない業務用ライブラリーが存在するのです。この業務用ライブラリーには著作権を払うものと払わなくても良いものがあります。(一般的に著作権フリーなどと言います。)選曲家は個人や会社で、こういったライブラリーと契約していて、その楽曲を使って仕事をします。今ではYoutuberの人向けに、個人レベルで買える(無料もある)ライブラリー音楽もありますよね。しかし業務用ライブラリーの楽曲のレベルの方が高いのは言うまでもありませんし、数も何千曲もあります。選べる範囲が広いのです。
じゃあ選曲って楽な仕事だな・・と思っているそこのあなた!そんなに甘い世界では無いのですよ(笑)
その苦労話は別の機会に。
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