銀河鉄道999・シネマコンサート

勝手にレビュー

今回のレビューは映画と生演奏を組み合わせたシネマコンサート。私は過去に「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「ゴジラ」のシネマコンサートに行きましたが、今回は「銀河鉄道999」です。

1979年度の邦画・第1位作品

42年前・・・

「銀河鉄道999」は1979年公開、東映動画(現:東映アニメーション)の作品で、監督:りんたろう、声:野沢雅子、池田昌子、音楽:青木望。私はこの映画をリアルタイムで見ています。当時私の田舎では「Mr.Boo!インベーダー作戦」「ルパン三世・カリオストロの城」そして「銀河鉄道999」と信じられない3本立てだったのです。正直、一番期待していなかった「銀河鉄道999」に感動して最後の別離シーンには涙を流してしまいました。あれから42年・・・まさかシネマコンサートで見るとは。

開演前

東京国際フォーラムはコンサート会場、オーケストラも余裕で入るホールAでの演奏。結構なお客さんの入りで人気の高さを実感しました。開演前には池田昌子さんのメーテルでのアナウンスが入り、場を盛り上げます。しかし41年経ってますから、さすがのメーテルもお歳を召された印象でした。さてオーケストラ入場、今回は栗田博文指揮:東京フィルハーモニー交響楽団の演奏です。チューニングが始まり、いよいよ開演です。

第一部

メインタイトル

映像が始まり、無音にテロップ、機関車の効果音、そして演奏スタート。普通のコンサートと違い映像とシンクロさせるので、演奏テンポはオリジナルとほぼ同じです。そして銀河鉄道999の文字の出で音楽が盛り上がります。いや〜感動的。青木望さんの楽曲はメロディアスで和音重視な曲です。どちらかと言うと歌謡曲風というか、当時の日本っぽい曲なのですが、この映画にはこの曲しか考えられません(今となっては)。何十回も聞いてますが(もっとかな)、実に良い曲ですね。

劇伴

映画の進行に合わせて、劇伴(音楽・劇中伴奏の事)が演奏されますが、どうも記憶には無い音楽や構成になってるように感じました。もちろん音楽演出もアレンジしてあるとは思うのですが、これって青木望さんが書いたのだろうか・・・情報が無くてよくわからないけど、新しい音楽が聞けたのは良かったです。

テイキング・オフ!

いよいよ旅立ち。映画ではゴダイゴの「テイキング・オフ!」が流れるんだけど、どうするんだろう・・・あ、これは音源が流れるのかな?と思っていたら、なんとタケカワユキヒデが登場!ちゃんとDrums、Guitar、Bass、Organの演奏家も居て生演奏で歌うじゃないですか!予想してなかったのでびっくりでした。

映画では「テイキング・オフ!」がフェードアウトしていって、「♫ド」のロングトーンをオーケストラが引き継ぎ、その音からメロディーを奏でてインスト版「テイキング・オフ」を演奏するという、なかなか洒落たアレンジを青木望さんはやってるんだけど、コンサートではフェードアウトしないで完奏し、あらためて「♫ド」のロングトーンを演奏してました。ここは再現して欲しかった、ちょっと残念。

氷の中のレクイエム

ちゃんと混声合唱で演奏してました。たしかに「銀河鉄道999」の音楽はオーケストラも入るけど、Drumsなどの4リズムやハーモニカ、アコースティックギター、ラテンパーカッション、混声合唱も入る劇伴なので再現は大変だったでしょう。この曲は混声合唱だから良いのです、拍手です。

Intermission

20分の休憩があり、第二部に移るのですが、第二部前にPrologueとして組曲風に音楽のみの演奏がありました。

第二部

やさしくしないで

酒場のシーンでリューズが歌う「やさしくしないで」という曲があるんだけど、これも生演奏してました。♫何が欲しいと言うの、私、それとも愛♫という歌詞が最高です。作曲は中村泰士さん。今回は小此木麻里さんが歌ったのかな?この曲「交響詩・銀河鉄道999」には入っていません。ですから凄くレアです。しみる曲です。

時間城へ

割と劇伴っぽい作りの曲。「銀河鉄道999」では3拍子系の曲が多く、この曲も3拍子系が出てきます。このあたりも青木望さんらしいところ。

惑星メーテル

もうクライマックスです。この曲、実に素晴らしくてトラウマになりそうです。なんですが、惑星メーテルに着いた段階で、結構な長さ演奏するんですよね・・・映画でもそうだったっけ?この曲は惑星メーテルの崩壊シーンを極上に仕上げる混声合唱とオーケストラの音楽です(大っ好きです!)芸術だと思っています。出しどころ早いんじゃないかな・・・感動が薄れてしまう。

あと惑星メーテルの攻撃シーンでキャプテン・ハーロックのテーマが流れ、音楽途中で別の音楽に変わるのですが、見事に再現してましたね。拍子もテンポも違うのに凄いです。

終曲ー別離そして新たなる出発

いよいよエンディングです。もう何回も見てるから知ってます。だから身構えます(笑)。だって絶対泣いてしまうからです。なんでしょう、この感動・・・とにかく音楽です。最高の曲だと思います。案の定、あちらこちらのお客さん、もぞもぞと動きます、耐えられないんでしょうね。私は最初からハンカチ持ってました(笑)。城達也さんの素晴らしいナレーションの後は、みんな大好きゴダイゴの「The Galaxy Express 999」です。オーケストラも参加して、本当ならみんなで立ち上がって歌いたい所です。が、我慢して手拍子のみです。残念だがしょうがない。

終演

終わった後、タケカワユキヒデさんが「青木望さんがお見えになってます」と紹介してました。青木さんは客席で立って挨拶されました。

青木望さんと言えばストリングスの美しさ。ご本人もヴァイオリンを演奏されるくらいなので、弦パートは簡潔で実に美しい。この「銀河鉄道999」でもヴァイオリンとチェロが絡む音楽がありますが旋律、対旋律ともに素晴らしい。解りやすくて、とても勉強になります。他の楽曲も聞いてみてください。

シネマコンサートは新しい形のコンサートです。オーケストラの演奏ですがPAが入りセリフや効果音とミックスされます。ですからクラシックコンサートのような繊細さは薄れますが、映画音楽をフルで、生演奏で聞けるのは嬉しいです。一度体験してみてはいかがでしょう。

そうそう、オフィシャルでYoutubeにアップされていたのでリンクを貼っておきますね。

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