今回も敬称略で掲載します。
ゆーた:さてさて今回のインタビューに際し、お仕事の一覧表を見せていただきましたが、シリーズや劇場合わせて79作品も選曲されてるんですね〜びっくりしました。作曲家も30人くらいお仕事されています。多すぎて絞れないとは思うのですが、一番心に残る作品は何ですか?
さとう:うーーむ、一番とかは決められないですねぇ・・・。初期の「とんがり帽子のメモル」や「メイプルタウン物語」「聖闘士星矢」は若手として、いろいろな意味でとても勉強になったし、「プリンセスチュチュ」は、全編ほぼクラシック曲を使って選曲した思い出深い作品だし、7年続いた「ケロロ軍曹」は、初のハチャメチャギャグアニメで、大変だったけどめちゃくちゃ面白かったし、「ARIA」との出会いは、その後の癒し系アニメの選曲の方向性に大きく影響しているし、「血界戦線」は、今まで出会った中で一番音響面にこだわりをお持ちの監督とのお仕事だったので、難易度の高いオーダーに答えるのに、苦労しつつもやり甲斐がありました。
ゆーた:1作品1作品に気持ちがこもっているんですね、一番なんて決められないのが当然です。
さとう:まだまだ言い足りないです(笑)。
ゆーた:では、選曲やってて良かったと思った事はありますか?
さとう:個性豊かな作曲家様たちと知り合えた事ですね。仲良くしていただいてる方々とは、プライベートでもお食事に行ったり、コンサートに招待してもらったり、一緒にイベントやったり、たくさんの刺激を頂いています。
ゆーた:羨ましいです。では、なにか失敗談とかはありますか?
さとう:一番の失敗は、「とんがり帽子のメモル」の第1話のダビングの日にちを1日間違えていた事ですかねぇ。朝一(午前10時の事)のダビングだったんですが、まだ仕込み終わってなかったので、午後開始にしてもらって、半分ぐらい上司に手伝ってもらいながら準備して、なんとか間に合わせました。たくさんのスタッフに迷惑かけたし、大切な大切な1話なのに全く納得いってない選曲になっちゃいました。
ゆーた:えええ!「とんがり帽子のメモル」はデビュー作品ですよね、聞いてる私が怖くて震えそうになりますよ。どうしてそんな事になったんですか?
さとう:完全なる勘違いです。
ゆーた:なるほど。ではダビングスタジオでのおもしろエピソードとか、何かないですか?
さとう:おもしろいことは、ダビング中にはあんまり起きませんが・・・あっ!そうだ、詳しいことは忘れましたが、「魔法使いTai!」という作品のダビングで、確か家の中の主人公たちが見つめ合うシーンがあって、音楽は入れずに長く見つめあう、シ〜ンと静かな場面だったんですが、監督の思いつきで、「外では、”発車しかけたゴミ収集車に主婦が慌ててゴミを出しに来る”と言う設定にしよう」という話になって急遽アフレコブースに入れられて、主婦役の「待って~!!」っていう声を録らされました(笑)
ゆーた:おぉ、声優デビューしてたんですね(笑)なかなかおもしろいエピソードでした。
さとう:声優デビューではないですが・・・
ゆーた:今回は長い時間のインタビュー、本当にお疲れ様でした。また次の機会には、さらに突っ込んだお話を聞かせてください。ありがとうございました。
ということで、今回インタビューに答えていただいた選曲・さとうやすのさんが、現在担当されている作品のリンクを貼っておきます。是非ご覧になってくださいね。
2021年3月5日(金) 劇場公開された『ARIA_The_CREPUSCOLO』は、8月18日(水) Blu-ray発売!されます。絶賛予約受付中。
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