「リバーブ飛ばし」とは音楽を途中で終わらせて、最後の音にエコーをかけること。「リバーブ飛ばし」と言う言葉が正式な言葉かどうかは知りませんが「エコーで飛ばす」と言う人も居ると思います。ここでは「リバーブ飛ばし」で統一しますね。
この「リバーブ飛ばし」は選曲技のベスト・ワンではないかと私は思っていて、主にシーンの展開を強調するときなどに使います。例えば推理ドラマで平和な音楽がかかっていたとします。その音楽が少し盛り上がってカットアウトしてリバーブの余韻の後に「え!ひょっとしてこのひとが犯人!?」というセリフが入ったり、ドキュメンタリーで歴史を語っていたナレーションが音楽のリバーブ飛ばしの後に「ところがこの繁栄は長くは続きませんでした」と展開するなどです。文章だと伝わりにくいですけどね・・・。
NHKのドキュメンタリーを見てみてください。必ず1度はこの「リバーブ飛ばし」に遭遇するでしょう(笑)、それほど選曲家はリバーブ飛ばしが大好きです。
そもそもリバーブ(Reverb:英)とは何でしょう。ちょっとお勉強の時間になりますが・・・リバーブとは残響の事です、わかりやすく言えば”お風呂場エコー”や”トンネルエコー”です。「あ!」と言えば「あーーー—」と響く感じです。それに対してディレイ(Delay:英)があります。ディレイは反響です。”やまびこエコー”です。「あ!」と言えば「あ・あ・あ・ぁ・ぁ」と響く感じです。私はリバーブやディレイを総称してエコーと呼んでいますが、この定義もはっきりしません。音楽制作ではリバーブとディレイは必須アイテムでリバーブがかかってない音楽は99%ありません。というか、普段の生活環境でもリバーブとディレイは身近です。建物の中では必ずリバーブ、ディレイは自然にかかっているものなのです。
このリバーブを意識的に強調させて効果を上げるのが「リバーブ飛ばし」です。じゃあ「ディレイ飛ばし」は無いの?と思われるでしょう・・・もちろんあります。ただ与える印象が違ってきます。「ディレイ飛ばし」の後にセリフがあるとすれば「夢か・・・」になるでしょう。少し混沌とする状況にはディレイが合います。ですからシチュエーション的に「リバーブ飛ばし」の方が多いのでしょうね。
ただ私はこの「リバーブ飛ばし」にはこだわりがあり、音楽のカットアウト間近になってリバーブが上がってくるのが嫌いなのです。やりすぎると途中から音楽がゴワゴワしてわかりにくいし、なんか勢いで行っちゃえ的でザツに思えます。私としては最後の1音(アクセントかな?)だけにリバーブをかけていただきたい!その方が衝撃が大きいでしょう。意図も伝わると思うんですよね。多少のリバーブ先行は理解しますが、3秒くらい前からリバーブが聞こえてくるのは「イカニモ」って感じでねぇ・・・。どう思います?同業者さん(笑)。
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