ポストプロダクションって、お客さんに来ていただいで作業するっていうイメージがあります。やはりスタジオで作業するわけだし、技術者も地元だしという理由もあるのでしょう。
私は普段、東京での作業が中心ですから、作業の99.9%は東京です。MAスタジオもダビングルームも東京に集中していますしね。
なぜポストプロダクションのスタジオが東京に集中しているかはハッキリしています。テレビ局があるからです。ですから大阪や名古屋も、テレビ局がある近くにはポストプロダクションがあります。
しかし、たまには遠征して気分を変えたいじゃないですか(笑)制作プロダクションなんて、ロケとか当たり前にあるし、海外だって行ける。仕事とはいえ、それぞれの場所で旅館に泊まったり、美味しいもの食べたり、少し羨ましいですよね。ところが、そういった遠征は選曲の仕事ではほぼありません。そりゃそうですよね、仕事の規模からいっても、交通費を払ってまで選曲家を遠征させるなら、地元で選曲家雇ったほうが効率がいいですからね。
選曲の仕事って、出張仕事無いんだ・・・と思ったあなた、ご心配なく、極稀に遠征仕事はあったりします。
というわけで今回は。あくまで私が行った、東京以外での仕事を書いてみましょう。
遠征仕事で行った都道府県
長野県
なんとなんと、長野県まで行って仕事をしたことがあります。もちろん長野新幹線を含む交通費や宿泊費はちゃんと出ました。しかも2回もです。
この仕事は1998年の長野オリンピックです。なぜこんなビッグイベントの仕事が私のところに来たのかわかりませんが(笑)、会場で流すためのイベント音楽、BGMなどを選曲しました。さすがに規模が大きいので音楽の数も多かったし、細かく打ち合わせしたりしたので、2回に分けての長野県での作業になりました。
長野県まで行くと、日帰り作業は不可能なのでホテルに泊まるのですが、やはりスタッフとの夕食や飲み会などもあり、遠征仕事もいいなぁ〜と感じた仕事でしたね。
静岡県
静岡県にある某パチンコチェーンのCMのお仕事で、静岡県のスタジオまで遠征して作業しました。この仕事も新幹線料金は先方で払ってくれましたが、日帰りできる作業だったので、宿泊は無しでした。
だいたいどこの都道府県の企業も、CMの音楽付けは東京のスタジオで行っていたので、かなりレアなパターンです。たしか静岡にあるテレビ局のスタジオだったと記憶しているのですが、ナレーションをその局のアナウンサーが行ったのかな?なので選曲が呼ばれて静岡での作業となったのでしょう。
遠征気分を味わうために、帰りの新幹線の中で駅弁(&ビール)を食べたことは、言うまでもありません(笑)。
神奈川県
これはバブルのときですが、葉山マリーナに宿泊もできる編集・MAがセットになったスタジオがありました。海の近くにあり、散歩して海を眺めてリフレッシュできる、とてもポスプロとは思えない場所でした。なにが凄いって、駅までベンツで迎えに来てくれるんですよ。そんなスタジオありますか・・・。
このスタジオへは数回行って作業しました。製作陣がこのスタジオでやりたかったからですね。仕事は普通の仕事なんですが、環境が面白い。もう一度行ってみたいなぁ〜
ちなみに交通費は自分持ちだし、宿泊は製作陣だけ。選曲は通いです(笑)。てか、このスタジオの名前が思い出せないのがもどかしい・・・
千葉県
舞浜に何回か通いました。舞浜と言えば・・・そうディズニーランドです。
都内で作業することも、もちろんあるのですが、ディズニーランドの敷地内に小規模なスタジオがあり、編集・MA作業を行なうことができました。なので、そこへ行っての作業です。
セキュリティーが厳しいので、事前登録制です。チャックを受けて入場し、スタジオ作業なのですが、簡単に出入りはできないので食事は社員食堂です。とにかく見た目も面白い環境での作業だったので新鮮でした。
もちろん交通費は自腹です。
番外編・京都府
もう30年くらい前に、京都映画撮影所から電話があり「ドラマの音楽家が急にNGになったので、京都に来て作業して欲しい」と言われました。京都映画は「必殺シリーズ」を撮影している時代劇の老舗のような撮影所です。なんで私?と思ったのですが「わかりました、大丈夫ですよ」と答えました。交通費も宿泊費も全部向こう持ちです。
ドラマのざっとした内容を聞き、”武満徹”風な音楽でまとめたいとの事で、「あのあたりの音楽を使おう」などと考えを巡らせていたら再び電話があり「監督の知り合いの選曲家に頼むことになりました、申し訳ありません。こっちのペナルティーですからいずれ何かで」キャンセルになりました。
これは残念!京都で仕事したかったなぁ〜。いろいろな意味で。
というか、30年経つのにペナルティーの補填してもらってないけど(笑)。
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