初めてのデジタル編集

雑談

アナログ時代のロクミリ編集から、ついにデジタル編集を始めようとしたのは、1990年でした。選択枠は2つ。マッキントッシュコンピューターを使ったデジタル編集か、DD1000というAKAIのMOディスクを使ったデジタル編集のどちらかでした。かなり悩みましたが、やはりコンピューターの方が拡張性があると考えて、Macintosh IIciを購入しました。ディスプレイは縦型で白黒のPortrait Display、外付けハードディスクは300MB(笑)フルに使って約30分のステレオ録音ができました。

ソフトウェアはPro Toolsの前身のSound ToolsとSound Designer、今のPro Toolsのようなマルチではなく、2トラック(ステレオ)仕様でした。それこそロクミリを編集する感覚で、録音した音楽をカットしてペーストしていきます。ロクミリ編集の場合、物理的にハサミ(もしくはカッター)でテープを切り、スプライシングテープで貼り付けるため、アジマスを狂わせないように編集しなければなりません。が、デジタルはそれがありません。めっちゃ綺麗につながるのでびっくりしました。曲の長さを延ばす場合、アナログは何回か録音しなければなりませんが、デジタルは1度録音すれば使い回せます。

一番嬉しかったのはオーバーラップできること。コンピューターのメモリー容量にもよるのですが、8MBのメモリーで8秒までオーバーラップできました。ロクミリ編集ではありえないことですからね。ただ編集後はハードディスクもいっぱいなので、結局ロクミリに録音するんですけどね。だからスタジオにはロクミリで持ち込みます。(保存はDATでした)まだまだアナログ時代、編集のみデジタルでした。

購入して最初にやったのは歌入りの音楽をバラバラにして、1番2番3番の歌詞を混ぜ合わせて1曲に組み直すこと(笑)もちろん趣味でね。で、何人かに聞かせたけど、みんなキョトンとしている。歌詞を入れ替えてもわからないんだね。新発見でした。

このデジタル編集システムを組むのに150万円かかりました。Macも高かった(笑)。ところがこのSound Toolsも進化してPro Toolsになりました。買い替えになります。一応検討しましたが、専用ハードディスク1GBが100万円・・・さすがに諦めました。なのでMacintoshコンピューターを使ったデジタル編集は一旦やめて、AKAIのDD1000に移行したのでした。

今やほぼ全てのスタジオはPro Toolsです。私のMacにも入っています。当時の1GB100万円は、今はタダみたいなものです。時代ですね〜。

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