光と音って、なんの接点も無い気がしませんか?光が必要なのは写真であり、映像ですが、光には音は無いので、関係性がわかりませんよね。
しかし光と音の関係には歴史があります。
映画
デジタルシネマ
映画はフィルムという考えは、だんだん過去の物になりつつありますよね。今、大手の映画館でフィルムでの上映はほとんどありません。ですから基本は我々が家庭で見るBlu-rayやDVDと同じデジタルデーターです。方式や規模は違えど、Youtubeも似たようなものです。
ですから映像も音声もデジタルデーターです。今の人達には理解しやすい環境ですよね。
DTS
ではデジタルシネマの前はどうなっていたのでしょう。
DTS方式という音声再生方式がありました。これはフィルムとシンクロしてCD-ROMを再生する方式で映像はフィルムなのでアナログですが、音はデジタルです。乱暴に言えば映画を上映しつつCDで音楽を流すようなものです。まぁ理解しやすいですよね。
ドルビーデジタル
さらに時代をさかのぼると、映画の音はフィルムに記録されていました。映画のフィルムに映像が記録してあるのはわかりますよね。音も?どうやって?フィルムの端に磁気テープでも付いているのでしょうか・・・。
おしい!フィルムの端にバーコードのようなデジタル信号が記録されていたのです。コンビニなどでもバーコード決済とかありますよね、どうやって読み取りますか?
そうなんです、光です。フィルムに記録されたデジタルデーターを光で読み込んで、音にして再生するのです。光と音が繋がりましたね!とはいえ、デジタルデーターを光で読むのは、CDにしろDVDにしろBlu-rayにしろ、今や当たり前ですから、ふーん・・・だと思います。
ではいつの頃から、光と音の関係が始まったのでしょうか。
トーキー
最初の音の録音はレコードでした。大きなラッパで音を集め、先端の針が、集めた音の振動を回転する蝋管に記録しました。再生するには蝋管の溝に針を置き、同じ速度で回転させて、振動をラッパで再生するのです。この録音された音を フィルムにするために生まれたのがサウンドカメラです。サウンドカメラは音を光で読む波形に変えてフィルムに記録する装置です。
光学録音って凄いですよね。音の波形をフィルムに記録して光で読む。1920年代、今から100年前にはもう光と音の関係は始まっていたんです。もちろんアナログです。ですからウネウネした波形がフィルムに記録されるんです。
そのウネウネした透明と黒の波形って、しょせんは模様ですよね。そんな模様から映画の音声が再生されるなんて、どうなっているんでしょうか。今のデジタルより、よっぽど凄い事のような気がします。
それ以外の光と音の関係は・・・
レーザーディスク
未来のメディア
レーザーディスクをご存知ですか?30cmほどの、まるで光るレコードのようなメディアです。最初に見たときは、ついに未来のメディアが誕生したと思ってました。
VHD
VHS対ベータのように、ここでもレーザーディスク対VHDという戦いがありました。VHDがケースに入っているのに比べ、レーザーディスクはむき出しで、派手に輝きまくってるんです。後のDVDやBlu-rayの大きいバージョンみたいですが、両面再生というのが違います。A面B面があるんです。
そして根本的に違うのが、VHDやレーザーディスクはアナログって事。
映像も音声も、見た目からは想像できないアナログデーターなんですね。ですからビデオテープに近いのです。VHSの光再生バージョンとでも言いますか・・・。磁気テープやデジタルデーターに慣れている我々からは光でアナログ再生の意味を理解しづらいですね。とはいえこのメディアも光と音の関係の一つです。
レーザーターンテーブル
レーザーターンテーブルは、アナログレコードをレーザーで読み取って再生する装置です。
従来の針でのピックアップとは違い、レコードが劣化しないし、針を置くことによって生じる針の走行音がありません。レコードの溝にレーザーを当てて読み込み再生するって凄い技術ですが、トーキーの頃の光学録音からの進化なんでしょうね。
このように光と音って、昔から関係があるんです。デジタルのような1、0を読むのではなく、アナログの連続波形を読む技術、しかも100年前には実用化してるあたりにロマンを感じませんか?
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