トゥモロー・ウォー

勝手にレビュー

2021年配信・監督:クリス・マッケイ 主演:クリス・プラット 音楽:ローン・バルフ

アマゾンプライムビデオ独占配信

こんなこと、少し前では考えられないことですが、この映画「トゥモロー・ウォー」は2020年に劇場公開予定の作品でした。ところが新型コロナウィルスの影響で劇場公開を諦め、アマゾンプライムビデオにて2021年7月2日から独占配信される事になりました。

映画を制作したのに映画館で上映されないのは、私なら悔しくて寝られなくなるところですが、今の時代は、おそらく劇場公開よりもアマゾンに売ったほうが経済的に潤うという判断なのでしょうか・・・。詳しいことはわかりませんが、レビューしたいと思います。

主演は「ジュラシック・ワールド」のクリス・プラット、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」など最近のSFアクションには欠かせない存在となりつつあります。というか、作品のレベルがわかるので安心して見られるという良さがありますね(褒めてます)。

現代社会に30年後の人類から突然兵士が送り込まれる。30年後の社会はエイリアンに滅ぼされる寸前で、加勢してほしいと要求を受け、現代社会から兵士として人間を送り込む。そこには絶命寸前の人類と壮絶な戦いが待っていた・・・。

ご想像どおりのSFアクション映画で、ご想像どおりの仕上がりです。ちゃんと楽しめます。個人的に嬉しかったのは「24」のクロエを久々に見れたことかな(笑)、あ!クロエだ!と思わず口に出してしまいました。

サウンドトラック

音楽:ローン・バルフ

エイリアンの攻撃シーンにブーン・ブーンとブラスのロングトーン(もしくはシンセ)の音が印象的で、これって「ターミネーター」みたいだなと思っていたら、「ターミネーター:新起動/ジェニシス」の音楽担当の人でした。

他にも「パシフィック・リム: アップライジング」「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」の音楽も手掛けていて、ミッション:インポッシブルの最新作も手掛ける予定だとか。

アクション物が得意なのか、慣れてるのかわかりませんが、実にそれっぽい音楽です。ハズレはしないけど個性も薄いという、妥当なスコアな印象でした。なんというか、見終わっても何か残るスコアでは無いですね。悪く言うと「トゥモロー・ウォー」じゃなくても、この手の映画なら問題ないですよと言ったスコアです。

正直音楽が目立つ必要はありません。あくまで映画として面白いかが問題なので・・・。ですが、音楽家なら印象に残る何かを表現してほしいところです。誰がやっても同じ印象でいいのか?と思います。一番良いのは、この映画を象徴するテーマ音楽を観客の耳に残すことです。それじゃ目立ってしまうと考えるなら、この映画の音楽のスタイルを残すことです。

ローン・バルフはハンス・ジマーと仕事をすることもあるようですが、ハンス・ジマーはスタイルを残す作曲家です。例えば「バットマン・ビギンズ」から始まる3部作にも、メロディーは残していないけれど、スタイルを残しました。弦の16分音符の刻みとブラスの和音展開、これだけで充分世界観を作っています。そういう取り組みは是非していただきたいと思います。

ハリウッドの映画の制作費ならできるでしょ。昔の日本映画の作曲家は3日間で作曲して個性を出していたんです(しかも低予算)。

総括

アマゾンプライムビデオで配信ということは、このスケールの映画が、封切り作品なのに年間4,900円で、他の映画などと同じ見放題で見られるんです。

気軽に見られて素晴らしいのですが、なんか有り難みが無い(笑)。これからこんな時代になっていくんですかね・・・映画館も消えていくんですかね・・・映画は安いものなんていう事が常識になったら、日本で映画の仕事は難しくなりますね。音楽家も予算が低くなり、音楽では食べられない社会が来そうで、ちょっと不安ですね・・・。


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