オンライン作業

選曲について

この記事を書いているのは2021年5月31日です。東京は本来なら今日で緊急事態宣言が解除される予定でしたが延長されました。こんなご時世に選曲家やポストプロダクションは、どうやって仕事を続けているのでしょうか・・・。

納品

選曲の仕事にはそもそも納品で仕事が終わることがあります。事前に音楽が決まって、もう編集段階で音楽も入れ込まれて「スタジオに来ていただかなくても、こちらでやっておきます」と言われることもありますし、作業していた2つの作品のスタジオ作業の時間がかぶってしまい、どちらかの作業を、音楽だけ渡してスタジオさんにお願いすることもあります。また、イベントや会場BGMといった映像作品でない場合(ラジオは別)も納品で作業が終わることがあります。

どうやって納品する?

昔は納品と言えば、相手の事務所やスタジオに直接持って行ったり、取りに来てもらってりするものでしたが、バブルの頃はほぼ「バイク便」でした。バイク便は電話して発注すれば、早ければ数十分で取りに来てくれて、1時間以内には届けてくれます。値段は配達先の距離で決まり、都内だと5000円前後が一般的でした。そんなバイク便を1日に何便も頼んで納品してたのですから、さすがバブル期ですよね(サンプル曲を入れたカセットテープでさえバイク便で送ってました、贅沢!)。

現在の納品

デジタル時代の今はネット納品が当たり前、スタジオ開始のギリギリまで作業しても、スタジオ作業開始時間に間に合わせる事ができます。方法は無料でファイルが送れるギガファイル便やfirestorageなどのサイトを使ったり、会社が契約する法人向けクラウドストレージを利用したり、スタジオ自身が運営するファイル共有サービスを使ったりします。本当に便利です。とはいえ基本的にはスタジオ作業ですから自分たちもスタジオに入って作業します。デジタル時代でも人は電車や車移動ですね。

オンラインのススメ

このご時世で、電車移動や車移動もそうですが、人との接触を回避と言われると、これはもう納品を含むオンライン作業になります。選曲や音響効果はそれで対処できますが、ナレーションは無理な場合があります。ナレーション原稿こそ事前にもらえる事はありますが、専門用語のアクセントの場所や、ワードの切り方、ナレーションのタイミングや間などは現場で対処です。ですからオンライン作業を推奨されても、スタジオのエンジニア、助手(居ない場合もあります)、ディレクター、ナレーターはスタジオ作業が多いです。しょうがないですよね。ちなみに選曲や音響効果はオンラインで対処できると書きましたが、ケースバイケースであることは言うまでもありません。アニメやドラマなど、演出との絡みで修正が入る場合は現場で話し合いも必要になります。オンラインでは伝わらない事は現場で対処するしかありません。

本日の納品

今日まさに午前中に、ある番組のMA作業がありましたが、完全オンラインで終わりました。事前に映像と台本とキューシートを送ってもらい、一連の選曲作業を自宅で行い、作業したものを映像にシンクロさせたパラにして(音のレベルやタイミングをスタジオ作業で変えられるようにマルチで)ネットで送りました。大部分の人はProtoolsのセッションファイルで送るようですが、私はトラック分けした音声ファイルで送ります。あとは直しに備えてコーヒー飲みながら待機(笑)「無事終わりました〜」の返事待ちです。以上リアルタイムの作業報告でした。

全然関係ないけど、オンラインとかオフラインというと、映像編集の事だと思ってしまうのは古いのかなl・・・今でも言いますよね?・・・。

この記事を読んで「選曲は、このご時世でも影響なくて良いね〜」などと思った人は大間違いです。めっちゃ影響受けてますから。めっちゃですよ!(くどい・・・)早く平和になってほしいですね。

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